秋田内陸線の存続に向けた意見
                          2007(平成19)年1月14日
                 大穂耕一郎(秋田内陸線サポーター) 

 (1月14日付で秋田県交通政策課・観光課・北秋田地域振興局・仙北地域振興局、北秋田市観光課・内陸線対策室、仙北市企画政策課、および県政記者クラブ、北秋田市記者クラブあてに送付した意見文書です。)

<今回の「存廃問題」>
 寺田典城秋田県知事の昨年12月18日の県議会での発言から、秋田内陸線の「存廃問題」が再浮上しています。
 内陸線の安全対策のための大規模改修工事に9億円かかるという県の報告を受けて、寺田知事の、「今後の県財政でどこまで耐えられるかという状況もある。毎年3億円の赤字が出るような状況で、果たして公共交通機関として維持できるのか、率直に考えざるを得ないところにきている」、「経営数値は正直。地域住民や会社、県や沿線自治体が将来の見通しを含め、冷静に検討すべきだ」「(存廃については)県民ニーズをとらえ、総合的に判断せざるを得ない」などの発言が報道されています。
 そもそも、この「9億円」という数字は、内陸線再生計画が去年策定されたときに、11億円近くと試算されていた改修費が9億円(うち3分の一は国の負担)になっただけのものです。今さらながらの知事発言ですが、地元の人たちにとっては大変なショックです。

<運営助成基金、国庫補助の有効利用を>
 内陸線には運営助成基金20億円が今も積まれています。このうち10億円は、県や自治体などの寄付金で、これは「原資」にあたり、取り崩さないことになっていますが、そのほかに、バブルの遺産である預金利子が8億円あり、また、国からの転換交付金の残りも2億円あります。
 内陸線は、当初から厳しい経営を見越して、赤字補てんを基金からではなく、県と自治体が年度ごとに補てんする体制をとってきました。ですから、累積債務はありません。(でも、毎年の補てん金の負担が財政を圧迫しているのは事実ですが。)ですから、基金は今回のような大規模工事や車両購入などに当てられます。また、従来から、赤字が3億円を超えた場合は基金から補てんするということも決めていました。幸い、3億を越えたのは2000年度、2001年度だけで、計4,700万円のオーバーにとどまりました。
 しかし2006年度からは、「内陸線沿線地域交通懇話会」の決定に基づき、基金から補てんをする基準ラインが年度ごとに引き下げられることになり、2006年度は前年度の約2億9千万円の赤字に対して、2千万円が基金から補てんされました。今後、再生計画の進展具合によっては、基金の減少が考えられますが、それでも、基金からのある程度の捻出は可能です。
 また、国土交通省では2007年度から、地方公共交通の再生に向けた「総合交通戦略推進事業」を始める計画で、補助金も計上される見通しです。こうした財源を有効に利用して、内陸線の改修を進めていただきたいと思います。

<道路予算との落差>
 12月4日に、国道105号の米内沢バイパスが開通しました。これによって、米内沢市街地の通過交通量が減り、所要時間も平常時で3分ほど短縮されました。混雑時はさらに効果が上がると思います。
 この米内沢バイパスの建設にかかった費用は55億円と報道されています。バイパスの全長は3.6kmです。一方、全長94kmの内陸線は、改修費用9億円を理由に「存廃論議」が起こされています。この「落差」には、国と地方の道路行政と財政システムが関係しているとはいえ、県の予算配分が問題と考えざるを得ません。これでは、いくら「県財政は厳しい」と言われても、違和感を覚えます。
 鉄道については採算性が厳しく問われていますが、道路の採算性はどうなのでしょうか。たとえば、2002年度における道路関係4公団(民営化前の日本、首都、阪神、本州四国)の収支は、収入が2兆5800億円なのに対して、投資額は7兆2800億円です。(『どうする?鉄道の未来』鉄道まちづくり会議編・緑風出版2004)民営化後も、「必要な高速道路は作る」というのですから、赤字額はさらに増大します。
 一般国道や地方道では、国の補助はあるものの、地方の負担は免れません。そして、運賃収入はもちろんありません。ですから「道路も赤字」なのです。
 鉄道は地域の公共交通機関であり、道路と同じように大切な社会資本として考える必要があります。

<北秋田市の「スクールバスへのシフト」について>
 内陸線再生計画で策定した乗客増の取り組みはなかなかすすんでいません。今年度上半期の利用者数は、昨年を下回りました。その原因の一つは、北秋田市で通学の児童・生徒の内陸線へのシフトができなかったことです。森吉中学校(桂瀬駅そば)への通学は、これまで、生徒の自宅の場所によって、内陸線とスクールバスに分かれていました。このうち、比較的駅に近い生徒は内陸線利用に変えるという方針を決めたのですが、年度末になってから保護者に説明したこともあり、保護者の反対が強く、頓挫してしまいました。これが実現していれば、昨年よりも数万人増になったはずです。
 今年春の藤里町での連続児童殺害事件は、犯人は最初の被害者の母親だったわけですが、近隣の町でのできごとに、大きな衝撃と不安を覚えた人が多かったと思われます。
 そして12月、北秋田市教委は、これまでとまったく逆に、内陸線利用の生徒をスクールバスに転換するという方針を出しました。これによって、来年度は内陸線の通学定期客がさらに数万人減少することになります。
 私も小学校の教員をしているので、保護者の心情は十分わかります。しかし、この市教委の対応には驚きました。
 私の勤務校でも、もちろん児童の安全に気を使っています。しかし、子どもの安全を守るためには、地域の人たちの協力がどうしても必要です。日常的に子どもたちを見守るボランティアを募り、通学路の危険箇所を子どもたち自身に確認させ、保護者との連絡を密にすることなどで対応しています。今、多くの地域で、こうした取り組みがすすんでいます。その効果は、犯罪の抑止という目的以上に、子どもたちを地域全体で見守ろうという意識が強くなり、地域住民の連帯の強化、地域の活性化という形で現れています。
 また、大切なのは、子どもたち自身に、社会的な体験を積ませることです。スクールバスによって今の安全は守れても、将来は一人立ちできなければなりません。まして、高校卒業と同時に親元を離れざるを得ない子が多い地域では、できるだけ多くの社会体験が不可欠です。一生という長いスパンを見通した教育政策が必要だと思います。
 市長が内陸線の社長を務める北秋田市ですが、通学をスクールバスにする代わり一番の措置は、沿線に住む市職員の通勤を内陸線にシフトすることです。すでに内陸線に切り替えた職員もいますが、まだ不十分だと思います。
 沿線の南半分を占める仙北市では、1月から3月までの冬場に、8人の職員の通勤を内陸線にシフトする一方で、通勤に便利なダイヤを組むよう、内陸線本社に求めています。北秋田市にもがんばっていただきたいと思います。

<団体客は3年間で5倍増!>
 しかし、内陸線の利用実績が3年間で5倍にも増えた部門があります。それは、旅行会社による団体旅行客の数です。
 2003年度に内陸線を利用した、旅行会社によるツアー客は、1,200人でした。これが今年度はすでに6,000人になっているのです。すべての団体利用客の合計も、2003年度の149件、7,600人から、2006年度は12月までで309件、1万3千人以上に倍増しています。
 紅葉の終わった11月からは、韓国からのツアーが毎週30人、内陸線を利用しています。阿仁マタギから阿仁合までの乗車ですが、参加者に好評なので、樹氷の時期もツアーが続きます。
 団体以外の観光客も増えています。秋の紅葉シーズン、内陸線は車両と人員をフル動員して輸送に当たりましたが、それでも、貸切の申し込みを何件も(残念ながら)ことわる事態でした。普段は1両で運転されている普通列車が2両から3両に増結され、急行列車も3両に増結されましたが、座席がいっぱいになる列車もだいぶ出たほどです。

<今後も入り込み客は増える>
 こうした盛況は、内陸線がここ数年、県外からの観光客の誘致に力を入れてきたこと、秋田県観光課、北秋田市商工観光課などが、この地域の宣伝に積極的に取り組んだこと、JRがそれにタイアップしたことなどの成果といえます。私たちサポーターも、積極的に宣伝活動を行ってきました。
 内陸線では、韓国を始め、台湾や香港からの観光客誘致に取り組んでいます。また、国内の旅行会社のツアーも、さらに増える見込みです。今後は、オフシーズンの観光客誘致が鍵になります。
 内陸線では、韓国を始め、台湾、香港からの観光客誘致を目ざしています。雪のない国の人たちにとって、秋田の雪は貴重な観光資源です。すでに北海道へは国外からの客が来ていますが、雪の量では内陸線は負けません。それに加えたもてなしを考案すれば、客の少ない冬場の利用者増につながります。
 内陸線への観光客の増加は、内陸線の利益にだけなるのではありません。JRから見れば、内陸線への観光客の入り込みはそのまま秋田新幹線「こまち」の集客増につながります。また、西日本や国外からの観光客は、秋田空港、大館能代空港の利用者増にもつながります。内陸線はすでに秋田県の観光の「背骨」に成長しており、沿線や秋田県内で観光関連の仕事に携わる人たちにとって大きな意味を持つだけでなく、沿線の人たちにとっても、地域の活性化につながります。
 逆に、内陸線が廃止ともなれば、これまでの多くの人たちの努力が無に帰すことになり、秋田県の観光にとって大打撃となることは言うまでもありません。

<内陸線は秋田県の貴重な観光資源>
 内陸線の観光的な価値の第一は、その沿線風景です。田園地帯、阿仁川、桧木内川の流れ、秋田杉(特に北部)や広葉樹のおだやかな山、そして集落の家々は、五能線における日本海のような派手さはありませんが、日本の原風景とも言える景観です。そして沿線の森吉山やマタギの里が、「最後の秘境」として知られてきました。また、今年は秋田国体、来年は全国植樹祭が開催されます。内陸線の知名度をさらに上げる絶好の機会です。さらに、完成間近の森吉山ダムは、新しい観光スポットとして大きな期待が寄せられています。
 また、内陸線は観光ルートとして絶好のポジションにあります。県の南東部の観光地である角館で秋田新幹線「こまち」に接続しており、近くには田沢湖・乳頭温泉郷もあります。そして県北の鷹巣で奥羽本線に連絡しているので、鉄道を利用する旅行者にも便利です。そして、十和田湖や八幡平、白神山地や津軽地方の観光地へも近い距離にあり、秋田県の県南と県北の観光地を結ぶ、「観光の背骨」と言えるルートになっています。
 旅行会社による団体旅行の場合、観光バスを使うことが多いのですが、バスだけでの移動はどうしても窮屈になります。そこで最近では、景色のよいローカル線の旅を組み込むツアーが多くなりました。たとえば、田沢湖近辺に宿泊したあとで津軽へ向かうツアーが、内陸線に松葉から阿仁合、または阿仁前田まで乗車したり、角館を見たあとで内陸線に乗り、阿仁マタギで降りて打当温泉で昼食や宿泊、といった様々な利用のされ方をしています。国道105号を1時間以上バスに乗るよりも、同じ時間を内陸線の車内で過ごすほうが観光客にとってはずっと充実した旅となります。
 個人やグループでの利用者にも、内陸線は大変好評です。こうした声は沿線や県内の宿泊施設でも聞くことができます。「またちがう季節に来てみたい」という声が、リピーターとなって定着してきました。
 さらに、内陸線の車両は、観光客に適応できる、ボックスシートとトイレを備えています。今、JR奥羽本線、羽越本線の普通列車は、そのほとんどが都会の電車同様のロングシートであり、観光客には適応できません。特急列車は料金もかかり、旅の途中で使うのには向きません。五能線は全国的に有名になりましたが、「リゾートしらかみ」以外の列車は、ボックスシートはあるものの、旅行者には大変不便なダイヤです。その中で内陸線は、実に観光客の需要にぴったり合った条件を持っているのです。
 こうした内陸線の特色が広く知られるようになり、内陸線への観光客の利用が大幅に増えてきました。今や内陸線は、秋田県にとって貴重な観光資源になっています。秋田県観光課では、2006年度の観光重点地域に、秋の宮温泉郷とともに内陸線沿線の阿仁・森吉地区を選定して、積極的な広報活動を進めています。

<内陸線を支える基盤は定期利用者>
 内陸線は現実に毎年3億円近い赤字を出し、県や地元自治体の財政に影響を与えているのは事実であり、改善が求められることは言うまでもありません。
 内陸線の赤字は、2004(平成16)年度は2億7500万円でしたが、2005(平成16)年度は2億9300万円となりました。しかしこれは豪雪による除雪費の増大、燃料費の高騰の影響が大きく、今年度の収支は改善が期待されます。
 鉄道の収入の基盤を支えるのは、やはり定期客の利用です。1人の定期客は年間720人の利用に匹敵します。10人だと7200人、100人では7万2千人の利用者になります。ですから、北秋田市が現在内陸線利用の小中学生をスクールバスにすると、来年度はそれだけで3万人以上の利用者減になるわけです。言い換えると、今年度これまでに旅行会社が送り込んでくれた6000人の団体客は、定期客8人と同じ数字、ということになります。
 通勤手段を変えるということは、生活時間を変えることであり、車通勤に慣れた方たちには相当抵抗があるのではと思いますが、職員の通勤の内陸線へのシフトは、地元自治体ができる一番有効な支援でもあります。北秋田市、仙北市、そして県の出先機関には積極的に取り組んでいただきたいと思います。

<内陸線の経費節減と副収入の増加を考える>
 ここ10年ほどの内陸線の利用者数減少に比べて赤字額が増えていないのは、経費節減や人員削減をすすめてきた効果と、定期外客の長距離利用が増加したためと思われます。また、自家用車の回送サービスや独自商品(内陸線プリンなど)の販売収益もその一助になっています。
 経費節減については、現行の列車運行体制でこれ以上の人員削減は安全輸送を確保する上で無理だと思います。そこで、列車ごと、曜日、季節ごとの利用状況を見ながら、列車本数を見直したり、また、観光客が多い時期には列車を増便し、閑散期には減便するなどの措置が必要かも知れません。
 今年の春から、JR北海道では「デュアル・モード・ビークル(DMV)」という、線路も道路も走ることのできる小型車両を釧網本線で試験営業運行します。この車両はローカル鉄道の経費節減に効果が大きいと全国から期待されています。平日に利用客の少ない列車はDMVで運行し、休日は観光客を乗せて道路も走るという運用も考えられます。購入価格も一般の鉄道車両よりもずっと安いので、今後の検討課題になるでしょう。
 また、千葉県のいすみ鉄道、兵庫県の北条鉄道などで準備が進められているバイオ・ディーゼル燃料(BDF)の使用も考えられます。BDFは、使用済みの植物性油(天ぷら油など)を小型の装置で精製して、軽油に代わるディーゼルエンジンの燃料にしたものです。すでに自動車(バス等)の燃料としては各地で使われており、地域の家庭や事業所から出る廃油を再利用することで、価格も環境負荷も低い燃料として注目を浴びています。
 鉄道会社の副収入と言えば、全国的には千葉県の銚子電鉄の「ぬれ煎餅」が有名です。全長6.4kmという小さな私鉄ですが、運賃収入よりも「ぬれ煎餅」の販売収入が多いことで知られています。昨年末には、会社の資金繰りができなくなり、電車の検査費用を捻出するために「ぬれ煎餅を買ってください」というキャンペーンを行ったところ、反響が大きすぎて「ぬれ煎餅」の生産が追いつかなくなりましたが、とりあえずの検査費用はまかなうことができています。
 内陸線には、数年前から販売を始めた「内陸線プリン」があり、好評を博しています。車でわざわざ買いに来る客も目立ちます。もちろん、「ぬれ煎餅」の域には達していませんが、内陸線が全国的に知られるようになってきた今、他の商品の開発も合わせて、副収入の道はまだまだ開けます。

<今ある財産の有効利用を>
 他地域の例を見ると、第三セクター鉄道の廃止は更なる税金の投入を招きます。2006年4月に廃止された北海道の「ちほく高原鉄道」(池田―北見)の場合、代替バスの不便さが問題となる一方で、廃止された鉄道路線に並行するルートで高規格道路の建設が進められており、こちらには10キロメートルに400億円という莫大な税金が投入されています。また、2005年に石川県の「のと鉄道」穴水―蛸島間が廃止されましたが、その代替バスの道路整備が100億円以上をかけてすすめられようとしています。
 
もし、「内陸線の廃止」の代替措置として、内陸線に沿う国道105号の「高規格化」がすすめられるとすれば、大覚野峠区間だけでも工事費用は内陸線の赤字よりも桁違いに大きくなり、県の「財政が厳しい」という理由は整合性を失います。
 経営の厳しい県内の建設業者から見れば、毎年3億円近い赤字補てん金は「無駄遣い」と映るのかもしれません。しかし今問題になっているのは改修工事の費用であり、これによって工事受注の機会が得られます。貴重な税金は、「みんなが少しずつ利益を受ける」ような使い方が望まれます。

<内陸線テーマパーク構想>
 私は、内陸線の将来展望は、鉄道と沿線地域が一体となった「テーマパーク」を作ることだと思います。
 「テーマパーク」と言っても、新たに多額の資金を投じて大きな施設を作ることではありません。内陸線と沿線の観光価値を活かし、今ある施設に手を加えながら、広く国内外から人を呼び込む「しかけ」を作ることです。観光客だけでなく、定住者も増やせるような魅力ある地域にしていくことです。
 「内陸線テーマパーク」のコンセプトは、「自然の中の人々の暮らし」と考えます。田んぼと里山、そして集落の入り混じった景観は、日本の原風景とも言えるものです。そして、今もそこで人々が暮らしています。その「暮らし」の中に、外からの人たちを招くのです。
 内陸線を訪れた観光客は、同じ列車に乗り合わせた地元の人同士の会話を聞くだけでも喜びます。地元の人たちと楽しい会話をすることで、さらに旅は魅力的になります。「マタギの里」打当温泉ではすでに「マタギ体験ツアー」を行っており、「グリーン・ツーリズム」をすすめている農家民宿の取り組みもあります。
 古い農家の縁側でお茶とガッコで接待したり、農作業をしている人が列車に向かって手を振ったりという、身近な、素朴な取り組みが新鮮に映るのが今の世の中です。こうした、新たな資金を必要としない取り組みを相互に結びつけることで、地域を活性化することができると思います。

<おわりに>
 
たいへん長くなって申しわけありませんでした。
 この文章の中で私は、いくつかの「発想の転換」を提案しています。時代は「高度成長」から「バブル崩壊」を経て、「持続可能な社会」への転換が必要とされています。行政においても、新たな「箱モノ」の建設ではなく、今ある施設、資源の有効活用への転換が必要だと思います。内陸線はその「発想の転換」のチャンスを私たちに与えているのではないでしょうか。

 ご検討をよろしくお願いいたします。